調査文: アムトラック・セオリー

今回のレポートでは、アメリカの電鉄パスと日本の JR パスを比較した、電車に乗るのが大好きな人たちの文化に焦点を当てたレポートを作成しました。
きっかけとなったのは、今回アメリカへの挑戦に挫折。予定していた講義は全てキャンセルされ、ロサンゼルスに停滞したまんまでした。そこから抜け出す手法を考えて、電車に乗って東海岸のマイアミまで行くことにしました。原作ユーラシアン・オデッセイを終え、折りたたみ式自転車で世界中を移動していて、便利な点は飛行機の預け荷物を安易に利用できるところですが、コストがかかるのと、かなり面倒です。しかし折りたたみ式自転車の真の利点は、簡単に電車やバスに乗せられることです。よって、膨大なアメリカ横断を電車でやることにしました。
ロサンゼルスを離れたかった理由は、単純につまらなかったためです。ロスの社会はかなり格差が顕著で、底辺の底辺の人はホームレス+フェンタニル中毒+超重度精神病のコンビネーション。一方、レベルの高い者は西ハリウッドのゲイバーや、高級店で買い物をして日々を過ごしているようです。そんな生活は僕からすれば浅く、薄味な文化にしか見えないので、興味を持てなかったです。むしろホームレス達が何をしているのか観察する方が楽しかった。道端に生えている木に寄りかかってうんこをしている姿はよく見ます。車椅子に座り込んだホームレスが道端で他のホームレスからフェラをしてもらっている姿も見ました。とにかくディープで乱れ果てた彼らを観察するのは頗る興味深いのですが、僕はホームレス観察のためにアメリカには来なかった。本を売るために来たのが本音。しかし、予定されていた講義がキャンセルされ、どこで本を売れるのか分からないし、全くオープニングが見えない状況に陥ってしまった。ロスで泊まったホステルには日本人が数人いたが、彼らは観光目的ではなく、アメリカの製薬品会社の実験ラットとして治験研究に参加して1万ドルを稼ぐために来ていた。レベルが相当低い日本人に囲まれて、怠け者達が身体を製薬品会社に売って小汚い金稼ぎをしている姿を見る度に見苦しくて気持ち悪かった。そんな日が続いていたので、ロスを離れる決断を取り、Amtrak のパスを購入しました(10回の乗車券で $500)。
ちなみに2023年の夏に日本に帰国した時に、3週間 JR 線乗り放題の「JR パス」を購入したことがあります。2倍値上がりする直前だったので、お得な気がして購入しました。その時も、実験的に安い折りたたみ式自転車を Amazon で購入して、それを積んで新幹線に乗りまくりました。つまりは、電車パス式の旅は今回が初めてではなく、アメリカと日本の長距離電車観光の比較ができる、中々ユニークな立ち位置に僕はいるのです。

アメリカと日本の電車パスのシステムは異なります。JR パスは完全に外国人観光客をエコ贔屓している一方、Amtrak は客の差別をしません。下記により詳細な比較をしてみました。
| Amtrak | JR Pass | |
| 価格 | $ 500 / 10 回数券 / 30日以内 | $ 900 / 無制限 / 21日間 |
| 乗車時間 | ~ 52 時間 | 最長5時間 |
| サービス | ダイニングカー、観光カー、荷物専用カー | 無し |
| 快適さ | 2 x 2 (真ん中の席は無い), リクライニング + フットレスト + 机 | リクライニング + デスク |
| 衛生 | 良い。しかし中には汚い・臭い乗客有り | 良い。しかし中国人観光客多々 |
| 雰囲気 | 列車によるが、非常に空間が広くて、窓がたくさん設置されて空気の循環も良い。 | 窮屈、スーツケースだらけ、空気の循環悪 |
| 夜 | 消灯、低音、寝れる | 無し |
他にもロシアを横断するシベリア鉄道や、インドの最高級長距離電車「マハラジャ・エクスプレス」が電車好きに取っては最高峰ですが、それを調査するのは電車オタクの領域に入り込むような気がしたので、もっと単純に、エントリーレベル的に移動が主目的の電車旅について書いてみたいと思いました。
長距離・長時間の移動には、それなり時間の過ごし方はそれぞれ異なり、乗客は各々のホビーに夢中になれる環境をアムトラックは提供します。「観光カー」に入ると、いろんなことをしている人を見かけます。下記の写真はプラモデルの組み立て、日記の筆記、編み物をしている乗客の姿を撮りました。


窓から流れるアメリカの絶景を眺めながら好きなことができるのは特別な体験です。それを目的ある移動と組み合わせたら、一石二鳥です。僕はロスの停滞を離れて、新たなデライトを発見し、そのデライトを最大限に探索するための仕事を始めた。
ザ・ アムトラック・セオリー
今のところ、アメリカの長距離電車に乗ったことは3回あります。まだまだ初心者ではありますが、とあるパターンが見えてくるようになりました。それは、長距離電車に乗る女性のパターン。3回とも、何らかの女性のアクションが僕の注意を引きつけました。初めてはフロリダ州、本を書いている話を他の乗客にしてたら、一人の女性が電話番号を交換することを提案し、その夜、都合があったら落ち合おうというアイディアだった。あいにく、その夜は別の予定ができてしまって、何もなかった。2回目は、ロサンゼルスからテキサス州エル・パソ市までの電車。かなりピチピチな服を着た黒人女性が誘惑的に腰を振りながらずーっと列車間を歩いていた。彼女のお散歩には理由があったのだ。どうやら彼女は男の目を引きつけようとしていたのだ。予想通り、手の早いロン毛の白人男性は彼女をナンパし、中々良さそうな話をしていた二人の姿を僕は影で観察していた。なるほど、なるほどと。そこでアムトラック・セオリーが頭の中で生まれた。それは、アムトラックが運営する長距離列車とは、実は豊富なナンパスポットなのだと。

そして、ついに3回目の乗車でアムトラック・セオリーを確認する瞬間が到来した。
テキサス州エル・パソ市で下車したら、すぐ隣町がメキシコのホアレズという、道路もまともに作られていないシャンティー・タウンがある。メキシコは行ったことがなかったので、長距離電車の休憩として2泊ホアレズに泊まった。本場のブリートやタコスはとても美味しく、アメリカ側に戻る前にたくさん買い付けてから国境を再び渡ってアメリカに戻ってきた。エル・パソとニューオーリアン市を連絡する(37時間)次の電車が来るのを強い日差しの下、ホームで待った。電車が駅に入ったら、一番遠い列車に向かって自転車でホームを走り出した。すると一人の女性が目に入った。まるで五つ星レストランのディナーへ招待されたかのような華麗な青グレイ色のドレスを着た背丈の高い女性が、スティレットを履いていた。まるでキャットウォークを歩くかのように僕の方に向かって腰を大きく振りながら歩いていた。日差しが眩しかったが、近づくと赤いカールの入った髪(カツラだった)と、光沢あるチョコレート色の、胸の谷間の溢れるように丸い乳に目が行った。僕たちは互いを見つめ合い、目を離さなかった。彼女は眼に薄青いカラコンを入れて、誘惑的な眼差しを僕に集中させた。僕たちは同時に「Hello」と言ったが、僕だけその前に「Wow!!」と思わず呟いた。通り過ぎたら、彼女の後ろ姿を眺めながら冷静に状況を把握した。荷物も抱えていないこの子は足を伸ばすために下車しただけで、僕たちは今夜同じ電車に乗るだろう、と。つまり、僕のアムトラック・セオリー、それは、一握りの女性は出会いの可能性を求めながら長距離電車に乗っているのだという論説を試す機会がこの子の形で訪れたのだと、理解した。

長い旅は、ひたすら長い。電車が発進すると、先ほどの女性は僕の席から5メートルくらい後の席に座っていたのを確認した。何度か再確認と出会いのきっかけを作るために彼女の真横を通ってみたが、彼女は目を合わせてもすぐに逸らして窓の外の景色を眺めた。また、遠くから彼女のことを観察していたら、なんと若手車掌が気安く彼女の隣に座って話しかけているではないか。一旦、諦めて観光カーでパソコン作業を1時間をほどしていたら、あの子のことが頭の中から離れないから一か八かと思って、パソコンを閉じて、彼女のところに声をかけに行った。一人で座っていた「ルナ」ちゃんは、窓側の席から日が沈んだ後の残りの微かな光でテキサス州の砂漠と丘の景色を眺めていた。彼女の横の向かい側の列の席に腰を掛けて「Hello」と僕は言った。
ルナ:「ハロー」
J:「電話番号、教えてください。」
ルナ:「笑。え、いきなり?私の名前も知りたくないの?」
J:「じゃぁ、教えてください。」
ルナ:「まだ教えないわ。ある程度難しくないと。」
二人は笑いながら互いのテンションと状況を存分に満喫して、互いを探り合った。途中で真っ赤色の満月が登り、月に見惚れたルナは、「私の名前はルナよ」と、自らに選んだ匿名を名乗った。僕はフラットにジュリアンと自分を紹介したが、最近買ったセーターの胸元に「RISKY」と文字が書かれていたので、ストリートネームは RISKY だとふざけた。イギリス訛りの英語を話すふざけた男が寄ってきたのに喜んで落ち着いた彼女は自分から手を僕の方に伸ばした、「よろしくね、リスキー君」と。

僕は彼女の手をそーっと右手に取って、離さなかった。何故ならば、彼女の黒い、長い指を一本一本じっくりと自分の手に取って見ながら、強力な体内的なフラッシュバックを僕は経験していたのだ。「どうしたの、私の手を離さないの?」とルナは尋ねた:
J:「君の指、長いね。DJでもやってるの?」
ルナ:「爆笑。違うわよ」
J:「冗談だよ。ッフ。実は君の手に触れて様々な強力な感情を今体験しているんだ。」
ルナ:「どんな感情?」
J:「一つはあるセオリーについての使命感。そして、もう一つは一昔前の出会いのフラッシュバックが起きたんだ。」
ルナ:「何のセオリー?」
J:「それは、アムトラックに乗る女性は、実は素敵な出会いを待ち受けているのだという、セオリー。」
ルナ:「笑。そして、フラッシュバックは?」
J:「俺は世界中を自転車で旅していて、本を書いた男なんだ。だからこうやってバスや電車に時々乗ることは一種の憩いの時なんだ。そして長距離の移動の際、飛行機であろうがバスであろうと、近くに可愛い女性がいたら、その子に可愛いくらいにみだらな提案をするんだ。」
ルナ:「何???」
J :「手を繋いでもいいかと聞くんだ。」
まだ手を僕に持たれていたルナはケラケラ笑い出した。それでも手を引かない。そう、僕はユーラシアン・オデッセイの道中で色々やらかしてきた。もっともリスキーだったのが、イランの長距離バスを移動中、手を繋ぐ技を見事に成功させ、薄暗く、暖かいバスの片隅で、隣に座ったイラン人女性を、硬く禁じられているはずの身体的解放へと即効に導いたのだ。それは如何にイスラム革命政府の支配意欲が強力であっても、アラーより与えられたペルシア女性の女子力を抑制することができなかった。
そして、そんな経歴を背景に今、アメリカ・テキサス州の砂漠を横切る夜間列車に、赤色に染まった満月の下、再び僕はボディタッチの段階的上昇を図っていたのだ。仕事のために。知見のために。真実により近づくために。果たしてアムトラックに乗る女性達はナンパを待ち受けているのだろうかという仮説を確認するために。
その答えは僕の手の平にそーっと、リスキーな任務から無事戻ってきたジェット・ファイターのように落ち着いて着地していた。

僕たちは慎重に、時間を十分に取りながら、互いに近づいた。成人になってから女の香りがより気になることを告白した僕は、ルナの香りはとても良さそうだと言った。すっかりと彼女の世界に頭から先に陥ってしまった僕を彼女は女性本能を活かして受け入れて、香りを嗅ぐために胸元に顔を寄せても良いことに合図した。乱世の時代と絶えない旅に脱色された長い髭が彼女の胸に触れた瞬間、彼女は焦って、彼女のアンブロジアがいっそうに強くなった。「やばい、今相当感じちゃったわ」と彼女は僕に告白した。
長距離移動のナンパでは、テンションのバランスを互いに保たなければならない。途中で下車したり逃げたりはできないので、互いを尊重しながら歩み寄る必要がある。臆病なナンパははじめのテンションが失せたら退屈でウザいし、アグレッシブ過ぎると通報に至る。綱渡りのバランスを保ちながら徐々に進まなければいけない。
とはいえ一度性的刺激を与えたら、余程のことをしないと失敗には至らない。僕は時間をかけながらそーっと、彼女の精神的準備ができたら隣に座るチャンスを待った。彼女が日記を見せてくれると言ったのが、隣に座ってほしいという合言葉だった。微かなボディタッチで体と声が震えるルナは出会いから1時間半ほどしたら僕にキスを許した。乗客同士のエロチックなキス。通りすがりの若手車掌(4時間ほど前にナンパをしようとして横取りされた男)は僕に「あれ?君の席番号は?」と邪魔をしに来たが、もはや手遅れだった。この女を落とすには仕事のユニフォームをまず脱がなくてはならない。車掌が消えたら「胸を見せてくれ」とルナに言った。彼女は唇を噛みながらふっくらとした乳をサテンドレスから丸出しにした。「舐めてほしい」と言われた。ちょっと舐めたらルナは芸を見せてくれると言い、彼女は口からまるで蛇のような長くて細い舌を出して、乳を自分の顔まで押し上げて、自分の乳首を舐める芸を見せてくれた。それを見て興奮した僕も一緒に舐め始めたら、「初めてだわ、誰かと一緒に自分の乳首を舐めるの」と照れて、可愛かった。
互いに夢中な二人は時間のことをすっかり忘れてイチャイチャし続けた。もう、真夜中で、列車の中は消灯され、数少ない他の乗客は眠りについた。「私の中を触って」とTバックを外したルナは僕の手によってファックされた。トドメを刺すのが論理的な次のエスカレーション。僕は席から立ち上がって硬くなった棒を取り出した。ルナは僕の棒を手に掴んだが、「駄目よ。それは行き過ぎだわ」と抗議した。そこで僕はこの夜、初めての失敗を犯してしまった。「そうだな、確かにこれは行き過ぎだ」と彼女の抗議に合意してしまった。
その間違いに気付いた時から、エスカレーションは止まってしまった。僕はもはやリスキーでなくなってしまった。躊躇を見せた瞬間に、共に造り上げた夢のような電車物語に亀裂が入ってしまった。本来では、暗い列車の中、他の乗客が近くで寝てる間にフェラチオ、セックス、生の中出しへと極めて自然でありながら野蛮すぎるエスカレーションを容赦無くするべきで、ルナの慎重に造り上げた自己イメージを完全に崩壊させるのが僕の男として触媒的な任務だった。でも、彼女のブレーキ掛けを受け入れてしまった僕はその瞬間に初めて恐怖を見せてしまって、そこからエスカレーションをすることはできなかった。

もう朝4時。一晩中イチャイチャしていた二人はようやく別れを告げる時が来た。僕は東へニューオーリアンへ。彼女は北へシカゴへと、列車は二つに別れることがアナウンスされた。ルナは眼から涙を流しながら、僕と一緒にニューオリアンへ行きたいけど、不安で怖いから地元の北へ戻ると。ようやくルナは僕に正体を暴いた:彼女は実はベリーダンサーで、夢を追うために大金をかけてアリゾナ州のオーディションへ行って、帰りの電車に乗っていたのだと。電車に乗る前の夜は、お金が尽きてアリゾナのホテルのロビーからロビーへと彷徨いながら過酷な夜を過ごしたと言う。これがアメリカの現実だ。人々はアメリカン・ドリームを追うが、それ故に全てを失ってしまう。ッフ。この辺ではよくある話さ。僕と一緒にニューオーリアンまで乗ったら、連れとして面倒を見ると約束しても、彼女はこの一生忘れられない「経験」をこれでお終いにして良いと決断した。最終的に我々男性は女性の言うことに従う他ない。
彼女がシカゴへ行くまで少なくともさらに48時間も電車の中で過ごさなければならない。僕は自主的にポケットから$100札を一枚取り出して、彼女に手渡した。「君の目的地まで日数がかかる。腹を空かせることはさせない」と。ルナはありがとうと言って、$100札を胸とサテンドレスと胸の間に収めた。
別れる前に彼女は本名と住所を教えてくれた。手紙を待つと。そして、僕たちの電車は別れた。後の車両はシカゴへ、前の車両はニューオリアンへ。
でも、僕はこの一夜で愛を感じて、一生忘れない経験を美しいアメリカン女性と共有できた。どこまで可能なのか、押して押して押し続けないと、限界が見えない。それは彼女の限界もそうだが、僕自身の限界にも言えること。そして、限界が見えたら、さらに押さなければ後悔する。ほとんどの人は己の限界を知らずに生きて死んでゆく。でも、こんなアムトラックの列車に一晩中封じ込められて、自分の限界を見せてくれる人に巡り会えるのであれば、それこそ純粋かつ法外的なデライトではないだろうか。
まだ10回分の内、8回の乗車券が残っている。
以上
